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東京地方裁判所 平成7年(ワ)23277号 判決 1999年1月22日

東京都中野区新井一丁目一番五号

原告

株式会社イオン理化学研究所

右代表者代表取締役

金井昌那

右訴訟代理人弁護士

内野経一郎

仁平志奈子

春日秀一郎

浦岡由美子

中田好泰

栗原正一

遠藤幸子

田中泰雄

三輪香織

東京都文京区後楽二丁目二番八号

被告

五洋建設株式会社

右代表者代表取締役

水野廉平

右訴訟代理人弁護士

大高満範

井ソ上正男

水庫正裕

右訴訟復代理人弁護士

安孫子俊彦

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

被告は、原告に対し、金三〇八五万二〇八九円及びこれに対する平成五年一月一日から支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

本件は、原告が被告に対して、原告の開発に係る技術に関する通常実施権設定契約に基づいて実施料の支払いを請求した事案である。

一  前提となる事実(1ないし3は争いがない。)

1  原告と被告とは、平成三年四月一日、原告の所有する工業所有権の実施並びに原告・被告間で締結した平成元年一〇月二七日“「弗素電解法による底質・水質浄化技術の実用化」に関する業務協定書”第九条に定める共同研究開発の成果の実施に関して、通常実施権設定契約(以下「本件契約」といいう。)を締結した。右契約に係る契約書(以下「本件契約書」という。)第一、二及び四条には、以下の記載がある。

「第一条 (定義)

本契約において、下記の用語は次の定義に従うものとする。

(1) 甲特許とは、原告の所有する「有機性廃水の処理方法(特許番号一二八六八八九号)」および「溶解有機物含有排水の処理方法(特許番号一四七九六二五号)」をはじめとする水処理および土木関連の工業所有権をいう。

(2) 本成果とは、前記共同研究開発の技術上のすべての成果のうち、原告の持ち分にあたるものをいう。

(3) 本装置とは、甲特許または本成果に係わる装置をいう。

(4) 本工事とは、甲特許または本成果を使用しておこなう工事をいう。

第二条 (実施許諾)

原告は被告に対して、本装置の製造販売および本工事を施工する通常実施権(以下「本件実施権」という。)を許諾するものとする。但し、被告の本件実施権には再実施権を含まない。

第四条 (対価)

1  被告は原告に対して、本件契約に基づく本件実施権の対価として、次の各号に定める金額を現金にて支払うものとする。

<1> 実施許諾料 年間二〇〇万円

但し、本件契約の締結後最初の五年間に限るものとする。

<2> 実施料ア)本装置の販売売上金額の五パーセント

イ)本工事費に一定乗率を乗じた額

2  前項二号イ)における本工事費とは、当該工事受注金額のうち甲特許および本成果の直接関係する費用の金額とする。

3  第一項二号イ)における一定乗率とは、本件契約締結後当該受注工事の本工事費に関して受注金額内訳書と実行予算書とを対比し、上限五パーセント、下限三パーセントの範囲で原告被告協議のうえ決定するものとする。

4  省略」

2 被告は、平成三年九月二六日から平成四年九月三〇日までの間、広島市より請負つた広島城跡内堀浚渫等工事(以下「本件工事」という。)を行つた。右工事の期間中、被告は弗素電解処理法(いわゆるアクアイオン法を指す、以下「アクアイオン法」という。)を使用した。

3  アクアイオン法は、本件契約書第一条所定の「甲特許または本成果」を使用する方法である。

4  アクアイオン法を用いた処理法は、次のとおりの手順で行われる(甲九、弁論の全趣旨)。

<1> 汚濁水を、水底にたまっている底泥(ヘドロ)(以下「底泥<1>」という。)の一部とともにポンプアップする。

<2> ポンプアップした汚濁水及び底泥<1>に、弗素を反応させて、水の中の汚染物質を凝集させて、弗素カルシウム電気分解の際に発生する水素ガスを付着し、水面に浮上させる。浮上しない物質は、自然に沈殿して、底泥(以下「底泥<2>’」という。)となる。

<3> 水面に浮上した汚染物質を、スカムスキマーという装置を利用してかき取り、水は放流する。

<4> 残った底泥<2>’は、弗素によって殺菌されているので、そのまま自然乾燥させる。

<5> 底泥<2>’を処理する。

5  通常の薬品凝集沈殿法は次のとおりの手順で行われる(甲二〇(枝番号は省略する。以下、同様とする。)、乙一一)。

<1> 処理の対象となる水と底泥<1>を一緒に吸い上げる(ポンプアップ)。

<2> ポンプアップした底泥<1>と汚濁水をサイクロンにかけて、土砂・砂礫等の比較的重いものを分離し、そこで生じた一次分級砂礫を除去し、運搬処分する。一次分級砂礫を除去した残りの底泥(以下「底泥<2>」という。)と汚濁水を原水槽に貯留する。

<3> 原水槽からシックナーに底泥<2>と汚濁水を送管する過程で、底泥及び水中の汚れと水とに分けるため、PAC(硫酸バンド)及び高分子凝集剤を加える(薬品凝集沈殿法)。

<4> シックナーの中で沈殿した底泥(以下「底泥<3>」という。)を、スラリー槽へ引き抜き、残水は放流する。

<5> スラリー槽に引き抜かれた底泥<3>を、更にフィルタープレスにかけて水分を絞り出し、脱水ケーキを形成する。

<6> 脱水ケーキを運搬処理し、絞り出された水分は原水槽へ戻す。

二  争点

1  本件工事は、本件契約書第四条一項二号、一条所定の「実施料」の支払義務の生ずる「甲特許または本成果を使用しておこなう工事」といえるか。

(原告の主張)

(一) 被告の原告に対する実施料の支払義務は、単に被告がアクアイオン法を使用したことにより発生するものであって、アクアイオン法を請負工事の内容として使用することを、実施料支払義務発生の要件と解すべきではない。したがって、仮に、アクアイオン法が、デモンストレーション用に使用された場合であっても、実施料の支払義務は発生する。

(二) 本件工事におけるアクアイオン法の使用は、デモンストレーションとしてではない。その理由は、以下のとおりである。

ア 広島城跡内堀には、平成三年当時、大量のアオコが発生していたものであり、アオコが発生していた場合、薬品凝集沈殿法は有効に稼働しないはずである。すなわち、薬品凝集沈殿法では、原水一トン当たり一グラムのPACを加えるのが通常であるが、PACは無機凝集剤であり、有機物であるアオコに対しては効果がなく、アオコが発生している場合に薬品凝集沈殿法を用いるとすれば、一トンあたり一六〇グラム程度の大量のPACが必要となり、コストが異常にかかってしまう上、一六〇グラムものPACを使用したとなれば、ただでさえ悪臭の強い汚泥の量が増加するので不自然である。

イ 被告が、アクアイオン法の一〇トン規模のパイロットプラントの試運転を広島城で行うことになったため、原告代表者は、平成二年五月二二日、被告の社員である栁邉利祐(以下「栁邉」という。)とともに、広島出張をした。その際、原告代表者は、高さ一五メートル、直径一〇メートルほどのシックナーを確認した。栁邉は、「これはレンタルだが、一箇月のレンタルが三〇〇〇万円ほどである」「実際の工事は、今回のアクアイオン法の実験結果が満足のいくものであれば、薬品凝集沈殿法とアクアイオン法の半々で処理する予定である」と説明した。そして、このとき、原告代表者がパイロットランプに「砂濾過装置」を加えたところ、満足のいく結果が得られている。同年六月初めころ、原告代表者は、栁邉から、広島城の内堀はアオコがひどく、薬品凝集沈殿法では費用がかかり過ぎるので、実施は不可能であり、すべて工事はアクアイオン法で処理することになった旨の連絡を受けている。

このような経過を踏まえて、平成三年四月一日に、原告は被告との間で、本件契約を締結したのであるから、被告が、本件工事においてアクアイオン法を使用したことは明らかである。

ウ 同年一一月ころには、栁邉から原告代表者に対して、広島城の内堀には多量のアオコが発生し、薬品凝集沈殿法の実施は取り止めて、すべてアクアイオン法で行うことになったので、一一月末に装置を制作して運転するので立ち会ってほしい旨の連絡があり、原告代表者は、同年一一月三〇日、プラントの運転立会いのために、日本大学生産工学部の大木宣章教授とともに広島へ行っている。同日、原告代表者が運転に立ち会ったプラントは、約一〇メートル×一〇メートル×一・五メートル程の大きさで、一〇〇トン規模のものであり(C-一〇〇)、内堀から原水を取水して処理を行っていた。栁邉は、この装置を使ってすべての水の処理をすると説明していた。これらの経緯からみても、被告が、本件工事においてアクアイオン法を使用したことは明らかである。

エ C-一〇〇プラントは、単なるデモンストレーション用に使っていたものではない。すなわち、被告がC-一〇という実験プラントを持ち、それが十分満足のいく結果を出しているのに、多額の費用をかけてこれほど規模の大きいプラントを製造することは不自然であり、右プラントは、本件工事に使用するために製造されたものと考えるのが合理的である。

(被告の反論)

(一) 本件契約書において、「実施料」は「本工事費に一定の乗率を乗じた額」と、「本工事費」は「当該工事受注金額のうち甲特許および本成果の直接関係する費用の金額」と記載されている(第四条一項二号イ及び二項)。すなわち、実施料の支払義務は、原告特許等の使用が、受注した工事内容となっている場合に限って発生する。

右記載の形式からすると、被告が実証実験等の目的で行う、受注工事以外の「使用」に関しては、工事受注の有無にかかわらず支払われる実施許諾料に含まれていると解するのが合理的である。そして、実施許諾料については、被告は原告に対して、平成三年から平成七年までの間に、合計一〇〇〇万円を支払済みである。

(二) 被告が広島市から請負った本件工事の内容は、「浚渫汚泥」を処理し、排出水をSS(懸濁物質)六〇〇ppm以下にして下水道へ放流することであった。被告は、右工程を、一般的な薬品凝集沈殿法により、処理、施工したのであり、アクアイオン法は使用しなかった(なお、本件工事は、「浚渫」による水の浄化、即ち、浚渫土量(堀の底泥-ヘドロ)を処理することにより、水を浄化するものであり、ヘドロを残したまま、堀のうわ水をすくって水を浄化することではない。底泥の混ざった懸濁濃度の高い汚濁水には、アクアイオン法は稼働しない。)。

したがつて、被告が広島市から請負った本件工事に関連して、本件契約上の実施料支払義務は発生しない。

(三) 被告は、本件工事において、アクアイオンC-一〇〇型を使用しているが、本件工事施工の一環として使用したものではなく、広島市や中国地方の顧客先へのデモンストレーションとして、被告の費用負担において、実証実験目的で行われたものである。

したがって、右アクアイオン法の使用に関して、本件契約上の実施料支払義務は発生しない。

2  損害額

(原告の主張)

(一) 主位的請求

本件工事には、アクアイオン法が使用されたのであり、被告は原告に対し、以下の実施料を支払う義務がある。

本件工事において、本契約第四条一項二号イの「本工事費」は、受注金額の全額である六億一七〇四万一七九〇円である。また、同条項にいう「一定乗率」は五パーセントである。したがって、被告が支払うべき実施料は三〇八五万二〇八九円である。

六億一七〇四万一七九〇×〇・〇五=三〇八五万二〇八九

(二) 予備的請求

本件工事において、本件契約第四条一項二号イの「本工事費」は、「工事受注金額のうち甲特許および本成果の直接関係する費用の金額」であり、その金額は、四億〇三四九万七四一九円である。また、同条項にいう「一定乗率」は五パーセントである。したがって、被告が支払うべき実施料は、二〇一七万四八七〇円である。

四億〇三四九万七四一九×〇・〇五=二〇一七万四八七〇

(被告の反論)

原告の主張は争う。

第三  争点に対する判断

一  争点1について

1  まず、原告と被告との間において締結した本件契約の内容について、検討する。

本件契約書第四条一項には、<1>本件契約に基づく本件実施権の対価として、「実施許諾料」と「実施料」の二種類が定められていること、<2>被告は原告に対し、「実施許諾料」として、定額で、年当たり二〇〇万円、五年間の合計一〇〇〇万円を支払う義務を負うこと、<3>被告は原告に対し、右「実施許諾料」とは別に、「実施料」として、「本工事費に一定乗率を乗じた額」を支払う義務を負うこと、<4>さらに、「本工事費とは、当該工事受注金額のうち甲特許および本成果の直接関係する費目の金額」である旨定義されていることが明らかである。

そうすると、本件契約において、被告が原告に対し「実施料」の支払義務が生ずるのは、本件契約書第四条の文言どおり、被告が発注者との間で締結した請負工事契約において、原告特許方法等(アクアイオン法を指す。)を使用することが契約内容とされている場合に限られるものと解すべきである。

したがって、被告が自己の負担において、宣伝広告や実験等の目的で、アクアイオン法を実施するような場合に、原告に対する実施料の支払義務が生じないことは当然である。このように解しても、被告は原告に対し、別途「実施許諾料」を支払う旨の義務を負っているのであり、不合理であるとはいえない。

2  そこで、本件契約についての右解釈を前提として、被告が、本件工事を行った広島城跡内堀でのアクアイオン法の使用が、本件工事に関する請負契約の内容とされていたか否かについて検討する。

(一) 乙二、一一、証人栁邉利祐の証言及び調査嘱託の結果によれば、以下の事実が認められ、これを覆すに足りる証拠はない。

(1) 本件工事は、広島城内堀の浚渫底泥を処理し、排出水をSS六〇〇ppm以下にして下水道へ放流することを目的とするものである。被告は、平成三年九月二六日、広島市と本件工事の請負契約を締結した。請負金額は五億九六〇〇万円(消費税別途)であり、請負契約書添付の内訳書によると、右請負代金には、サイクロン、シックナー、フィルタープレスの運転費用やPAC、高分子凝集剤の代金は計上されているが、アクアイオンシステムの運転費用は計上されていない。

(2) 広島市は、調査嘱託に対し、本件工事については、汚泥処理に関し薬品凝集沈殿法の工法指定で発注したのであって、アクアイオン方式の発注は行っていない、本件工事にアクアイオン方式は使用されていない、薬品凝集沈殿法により発生した汚泥は、フィルタープレスで脱水を行った後、処理された脱水ケーキを産業廃棄物処理場へ搬出して処分した旨、回答している。

そうすると、被告が広島市から請負った本件工事は、アクアイオン法を使用することが工事契約の内容とされていなかったことは明らかであるから、その余の点を判断するまでもなく、本件工事により、本件契約上の実施料支払義務は発生しない。

(二) 前掲各証拠、甲三、五、一二、一四、一五、乙八ないし一〇によれば、以下のとおりの事実が認められ、これを覆す証拠はない。

(1) 被告が作成した目標・実行予算書によると、請負金額五億九六〇〇万円(消費税別途)のうち、汚水処理工事費として一億五八〇〇万円、汚水処理施設工として三三九〇万円計上されているほか、アクアイオン工事費として九〇〇万円計上されており、汚水処理工の内訳として、PAC代六五万五〇〇〇円、高分子凝集剤代二三四〇万円が含まれている。また、右目標・実行予算書には、「本社開発技術”アクアイオン”実施」、「アクアイオン実証試験実施」の記載があり、添付の浚渫濁水処理設備フロー図によると、本件工事は、まず浚渫汚濁水を薬品凝集沈殿法で処理し、その結果得たSS六〇〇ppm以下の水の一部を、更にアクアイオン法で処理しで、源流に戻すという作業を予定していた。なお、当時、広島市では、汚水を下水道に放流する場合の汚染濃度環境基準はSS六〇〇ppm未満であった。

(2) 被告は、平成三年一一月ころ、アクアイオンシステムの一〇〇トン槽のプラント(C-一〇〇)を製造し、被告が広島市に提出した工事日報には、平成三年一一月、アクアイオンシステムを搬入組立した後、シックナーの組み立て、平成四年六月には、シックナーを解体撤去した後、アクアイオンシステムの搬出を行った旨記載されている。仮設ヤード配置図には、アクアイオンシステムとともに、シックナーやフィルタープレスが記載され、本件工事の工事現場を写した写真には、シックナーが撮影されている。また、被告は、本件工事に関して、高分子凝集剤やPACを購入している。

なお、栁邉が原告代表者に交付した平成三年一二月三一日付実施報告書案には、本件工事による実施料の支払いに関して、「本工事費 一億八五二九万一八二六円、実施料 一一五万八〇七四円」との記載があるが、右報告書も、汚水処理の一部につきアクアイオン法を使用したことを前提として実施料を算出したものである。

以上のとおり、確かに、被告は、平成三年一一月ころ、広島城跡内堀において、アクアイオン法を使用している。しかし、<1>本件工事は、広島城内堀の浚渫底泥を処理し、排出水をSS六〇〇ppm以下にして下水道へ放流することを目的とするものであるところ、被告は、薬品凝集沈殿法を実施するため、一億九〇〇〇万円余の実行予算を計上していること、他方、アクアイオン法の実施のための予算としては、九〇〇万円を計上しているにすぎないこと、<2>被告の実施した態様は、一旦薬品凝集沈殿法によって処理された後の水を用いて、アクアイオン法により、SS二五ppm以下にして、内堀に戻していること等の事実に照らすならば、被告が、アクアイオン法を使用したのは、広島市から発注を受けた工事を実施する目的で行ったのではなく、アクアイオン法の研究成果を実証等する目的で行ったものであり、その費用も被告自らが負担したものと推認するのが相当である。

したがって、被告は、右のとおりアクアイオン法を使用しているが、これを理由として、本件契約上の実施料支払義務が発生することはないというべきである。

(三) なお、原告は、広島城跡内堀に億、平成三年当時、大量のアオコが発生し、アオコが発生していた場合には、薬品凝集沈殿法は有効に稼働しないはずである旨主張し、右主張に沿うかのような証拠(甲九、一七)もある。しかし、本件工事が行われたころ、広島城内堀に、どの程度アオコが発生していたかは明らかではなく、右証拠は、浚渫汚泥ではなく、汚水を対象とした実験結果であることからすると、原告主張の事実を採用することはできない。また、原告は、本件工事はすべてアクアイオン法で行われたものであると主張し、右主張に沿うかのような証拠(甲九、一〇、原告代表者本人)もあるが、前記のとおり、本件工事現場には薬品凝集沈殿法を実施する際に必要なシックナー等の装置が搬入設置されていること及び前掲各認定事実に照らして、右主張は採用できない。

二  以上のとおりであるから、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求は理由がない。

(裁判長裁判官 飯村敏明 裁判官 八木貴美子 裁判官 沖中康人)

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